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プログラム実績

徳島県阿南市 「ジュニアベンチャープログラム」(ボランティア)

「海援隊 株式会社」班

事業概要
業 種 うどん
構 成 中3男子1名、中2男子2名
中1男子2名、小5男子1名
売 上 23,058円
経 費 11,125円
利 益 11,933円
現 金 27,933円
借入金 0円
資本金 16,000円
一人当り(2株)配当 1,200円
1.一人当り配当は、100円未満を切り捨てにしました。
2.「税金」として利益の10%を預かりました。
3.テントの「場所代」を別途徴収しました(金額は入札にて決定)。
※1〜3の合計金額は寄付金として社会福祉協議会に送金しました。

(1)担当VC 藤田 学(徳島文理大学)さんのレポート

<事業計画の発表>
<前日準備>
<9/23 前日準備からの初参加>

イメージ海援隊のベンチャーキャピタリストとして初めてジュニアベンチャープログラムに参加。8月26、27日に参加していなかっただけに小中学生がどんな会社を作ろうとしているのかという楽しみと同時に、また彼らをうまくサポートできるのかという不安があった。午前9時前、ひまわり会館に到着。プログラムが始まったがもう1人のベンチャーキャピタリストである山内さんが遅れるとのこと。

イメージ右も左も分からないためサポートも何もあったものではない。とりあえず海援隊のメンバーがどんな子供達か観察することにした。プログラムの流れは模擬店の配置を入札方式で決めるため、どの場所をいくらで入札するかという話し合いになった。しかし、話しているのは社員のうちの2人だけで他のメンバーは黙り込んでいたり、遊んでいたりと団結が感じられなかった。黙っている社員に意見を求めたところ「どこでもいい」という答え。

その答えでも十分構わないが、話し合いに自分から参加するか社長が1人1人から意見を聞く方法を提案すればよかったと思う。

<仕入れに出掛ける>
昼食を前に仕入れに行くことになった。海援隊の商売はうどん。うどんを作るための材料を仕入れるのは当然なのだが、なぜか彼らはとにかく早く買出しに行きたがっている。しかし様子を見ていると「仕入れる材料のメモは???」という感じである。これではいけないと思いメモをすることを提案。ある程度のものが出たがこれだけでいいの?と感じられた。臨機応変という言葉もあるし、店に行けば必要だと気づいてくれるだろうと思い、買出しは彼らに任せてみた。

しばらくすると社員の1人が息を切らして帰ってきた。「うどん、もう買っていいですか?」初めて大量の仕入れをすることに不安を感じたのか?とにかく私の方も不安になったので現地へ行くことにした。店にあるうどんだまだ仕入れ予定より数が少ない。結局当日に追加買出しすることにした。

講義どおりに値切ることになったが、社員全員が恥ずかしがって店員の方が来ると黙ってしまった。結局山内さんが交渉し店員さんの尽力もあり、値切りは成功。うどん62玉1個当たり5円安く、つまり通常より310円安く仕入れることが出来た。

仕入れに手間取ったため、ひまわり会館に帰ると昼食の時間になっていた。昼食を取りながら役割分担を決めるように指示。呼び込み、会計、調理役と大きく3つに分配した。

昼食を急いで取ってミーティングに参加したが自分のチームで精一杯で他チームの報告があまり耳に入らなかった。

<作業開始>
場所を3階に移して作業を再開した。社員達は看板を作っている。これについては全く心配する必要がなかった。自主的に看板、割引券を作っている。特に「坂本竜馬も感激」というコピーから中学生の感性の鋭さを感じた。

値段決めは予定経費が11,000円程度かかることから素うどん200円、月見、ワカメうどんを250円にするのが妥当という話になった。ただ50円の割引券を作っているから始めは素うどん250円、月見、ワカメうどんを300円にすることが決まった。当日になってみないと分からないが、100食全部売れるとは考えにくいからこの値段設定はよかったと思う。また当日決算準備のため会計係がどの商品が、いくらのとき、いくつ売れたか記録する係を兼務するよう助言した。

<9/24 本番当日 ハプニング!?>
イメージ本番の日がきた。みんな準備は進んでいるだろうか。机、椅子、親御さんに手伝ってもらい切った材料などを運び、さあいよいようどんを作ろう、と思ったらプロパンガス用のコンロの火がつかない。困った、うどんを作るためにはダシ分とゆでる分の最低2つはコンロが必要なのに。とにかくダシだけでも火にかけておいたが、結局コンロが借りられた10時まで営業を始めることが出来なかった。周りが順調に売り出しているのを見ると不安になった。しかし、ここから巻き返せばよいのだ。うどん玉をゆでる準備が出来たところで呼び込みを始めるように指示。今からだ!

しかし、呼び込みに行った2人が恥ずかしがって大きな声が出ない。仕方がないのかもしれないが、呼び込みというよりは独り言を言っているようにしか見えない。2人が帰ってきて、再び作った看板を掲げて歩くことになった。先程よりはましになっただろうか。私も店の前を通る人達に呼びかけていった。ほとんどの人が無視するか、気まずそうに通りすぎるかだが中には「後からまた来るわ。」といってくれる人もあり、思ったよりは手応えはあった。

<お客さまご来店>
イメージ初めてのお客さんが来てくれたときには、「やっと1人だ。」というのが正直な感想だった。スタッフの方の助言で同業の偵察をしてきた。そう、この会場にはうどん屋がもう2軒あったのだ。2つとも素うどんだけで値段は250円だ。うん、値段は同じだが品揃え(といっても3品しかないが)と若さでは負けていないはずだ。

11時を過ぎたころからお客さんが常にいるという有難い時間帯が続いた。味はそんなに悪くないと思うが(結局忙しくてうどんの試食は出来なかった。)、お客さんの反応を見ていると、中に待つことにイライラしている人がいた。素人なのでうどん玉を1玉ずつお玉にわけてゆでないとかえって遅れてしまう。事前に調理の練習をしておけばよかったかもしれない。また、多くの注文を受けるとどの商品を何食作るのか混乱することもしばしばだった。

昼食を素早く取って帰ってくるとNTVPスタッフの方と親御さんがサポートしてくださっていた。これは本当に有難かった。むしろ私達が手伝っているという感覚にさえなった。

ダシがなくなったのが13時前だったので社長をはじめ何人かはもう店じまいをしようという話になった。しかしNTVPスタッフの方が手伝ってくださりすでに何人かの社員がダシ作りをしてくれている。この辺の意思の疎通が出来ていなかったと思う。結局営業時間を延長してうどん玉がなくなったら終わろうということに決まった。

またうどん100食に当たるネギや鰹節などの材料の比率が悪くたびたび誰かが買出しに行くという効率の悪い事態に陥った。改善点は多々あるが、値下げなどの効果もあり100食売ることが出来た。

<店じまい→会計作業→株主報告>
イメージこれで全部終わったかのように思っている社員もいたがこれから片付けもあるし、決算もあるのだ。片付けも全員協力し、素早く終了出来た。

ひまわり会館3階に帰ると社員が現金の勘定をしていた。仕入れや売上の計算をしなければならないのに社員全員、利益がいくらなのか、つまり自分にいくらの分け前があるのかばかりを気にしていた。実際の会社を考えると利益を追求するのが会社の1つの目的ではあるので悪いとわ言わないが、もっと純粋にお客さんと接する喜びや商売することの厳しさなどを知ってほしかったと思う。

決算に関しては小中学生にしては難しかったようで、1つ1つ書くべき数字と場所を指示していった。特に、営業中に売上数の記録がきちんと出来ていなかったので正確な決算には至らなかったのが残念だった。

<所感>
2日間を通して助言をする立場にあったが、どの程度までなら踏み込んでよいのかという点で迷った。ただ、当日はその余裕がなく、むしろ先頭に立って作業を進めていったことは否めない。やはり子供に接する経験が足りなかった。NTVPスタッフの方の1人がおっしゃったことだが社員、VC、スタッフそれぞれの立場でよい経験が出来た、と。それで成長していけばよいのだと思う。子供達の多くもまた機会があれば参加したいといっているし、そういう意味ではこのプログラムは成功だったと思う。会社としての海援隊を評価すると全体的に事前準備を軽視しているように感じた。また友達とばかり話して社員全員のコミュニケーションが旨く取れていなかったので社員編成を考える必要があると思う。

ただ、看板作りなど創造性の点で感心させられた。ベンチャーを起こすにはアイディアが重要な能力の1つであるから彼らもまたベンチャーとしての資質をもっていると思う。是非21世紀の起業家として頑張ってほしいと思う。

最後に、海援隊を支えてくれた社員の皆さん、VCの山内さん、スタッフの皆さん、親御さん、お客さんに感謝したいと思います。ありがとうございました。

(2)担当VC 山内 智美(徳島文理大学)さんのレポート

<感想>
今までの活動を振り返ってみると、海援隊のメンバー達には驚く程の前向きさがあったように思います。

始めは本当に皆が独り歩きをしているようにしか思えなかったし、彼等をうまくまとめられなかった自分も情けなかったですが、前日当日となってみると私が変に混乱してしまい、チームワークを乱しつつありましたが、彼等は流される事なく(大事な事ばかりだったけど)一生懸命に頑張っていたと思います。

猪突猛進みたいな所もありどうしたら良いか分からなくなることもありました。でも一切目的を忘れていた訳でなくただ素直なんだな、とそれで補えない分は私達VCが支えていくんだな、と思いました。本当に自分自身が一皮も二皮もむける思いでした。もっと周囲を思う気持ちを持って、再度生まれかわって挑戦させて頂きたいと思いました。今後とも宜しくお願い致します。

本当に皆さん有難うございました。
各班のレポート
「ドリームギア 株式会社」班
「SMILE 株式会社」班
「スマイリー 株式会社」班
「サマーハッピー 株式会社」班
「海援隊 株式会社」班
「株式会社 ジューシー林」班
「株式会社 やきそば屋さん」班
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