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青少年起業体験プログラム

プログラム実績

徳島県阿南市 「ジュニアベンチャープログラム」(ボランティア)

「スマイリー 株式会社」班

事業概要
業 種 フリーマーケット、ドーナツ
構 成 中2女子1名、小6男子2名、小6女子3名
小5男子1名、小4女子1名
売 上 30,815円
経 費 17,884円
利 益 12,931円
現 金 31,931円
借入金 0円
資本金 19,000円
一人当り(2株)配当 1,200円
1.一人当り配当は、100円未満を切り捨てにしました。
2.「税金」として利益の10%を預かりました。
3.テントの「場所代」を別途徴収しました(金額は入札にて決定)。
※1〜3の合計金額は寄付金として社会福祉協議会に送金しました。

担当VC 松田 光司(徳島大学)さんのレポート

<8/26(土)14:00 VC事前学習>
松尾君に誘われ初めてひまわり会館に入りました。実際にベンチャーされている方や投資家の方たちが企画されていると事前に聞いていました。それですごく本格的なのではと予想はしていましたが、本当に株券や配当があると知り、まさに起業するのだなと実感しました。

僕も配当金がもらえるのかなとちょっと期待しましたが、VC役はもらえないとのこで、まぁ当然かなとも思いました。

明日から始まるベンチャープログラムの前にメンバーの自己紹介で明日から参加予定のはずの中学生の男の子がもう既にきていることを発見。 僕はそれを見て、このプログラムはすごいことになるのではないかと密かに期待に胸を膨らませました。

<8/27(日)9:00メンバーと初対面>
今日は会社を実際に起こす小、中、高校生と初顔合わせである。

僕は当初、後に株式会社海援隊となるグループのVCになる予定であったが、小学生だけのグループ(後にスマイリー株式会社)を担当することになった。彼、彼女らの元気さには、はじめから圧倒されてしまった。

「これはものすごくやりがいがありそうだぞ、僕も負けてられないなぁ」とつい気合いが入ってしまうほどでした。

<事業計画中ハプニング発生!? →発表>
イメージ今日1日かけて社名や売る商品などをまとめた事業計画を発表して、提出しなければならないとのことでした。午前中はみんな意見がバラバラで、あまりはかどらず、社長や副社長を決めたぐらいでした。

そしてお昼ご飯が終わったとき、事件は起きた。昼食を外に食べにいった社長と副社長が時間になっても戻ってこないのである。残された社員の間で「社長が逃げたって」、「えっ、うそだろ会社どうなるん?」、「えっ、いきなり倒産?」などの不安が広がり、会社の存続の危機に立たされた。VCである鎌田さんが社長と副社長を探しに行くことになり、ぼくは残った社員と会社の商品についてアイデアをだすことに専念した。やっぱり、小学生だから長い時間一カ所にじっとしているのは、退屈してしまうのかもしれないと感じてしまって、そう思うとあまり腹が立つということもありませんでした。

しかし、会社というものはばらばらであっては、方向性が決まらないし、また社員のやる気にも影響してくるのものだから、なんとか盛り上げていこうと、ひたすら聞き役に徹し、出た意見には口を出さないようにしました。

「まずフリーマーケットがやりたい!」、「あたしドーナツがいい」、「クレープが食べたい」、「食べたらダメだよ!」、「くじ引きもしたいなぁ」、そんな中で社員の小学生はたくさんアイデアをだしてくれ、事業がどんどん多角化していった。ほんとにこれには社員に感謝したくなりました。

ある程度アイデアが出尽くしたころに社長と副社長を連れたVCの鎌田さんが戻ってきた。 それで決まった事項を社長に報告すると、とりあえずその時は一応納得してもらえた様に思えた。(開店前日にまたクレープかドーナツでもめることになるのですが・・・)

なんとか時間いっぱいに事業計画がまとまり、計画書を作成することになった。計画書はみんな楽しそうにどんどんやってくれました。なかには絵を夢中になって描いてくれて、そのまま看板にして使えそうなぐらい頑張ってくれました。発表の時は、小学生ということもありつっこんだ質問は控えていただいたように思う。しかし、そのぶんのつけは後で私たちVCに回ってくるとは知らずに。

<会社設立→登記→資金調達>
イメージその後 銀行にお金を借りに行ったり、株券を発行するのはスムーズに運び、割と早くその日の事業計画を終えることが出来た。が、解散するのは5時だからそれまでは待たなければならなかった。やはり小学生だから忍耐力という点では、まだまだ個人によって相当のばらつきがある。

何人かは「まだ終わらんの?」、「いつ帰れるん?」と僕にひたすらお経のように繰り返し聞いてきた。僕に聞いても帰れる時間が早まるわけでもない。どうしようもなく、とにかく「もう終わるから、待ってね。」と繰り返すしかなかった。その時、僕は小学校の先生になった気分だった。

なんとか、解散になり子供達は勢いよく帰っていった。

「本当にこれで当日大丈夫なんだろうか?」「ちゃんとフリーマーケットの商品集めておいてくれるかなぁ」「当日みんな来てくれますように」といらぬ不安ばかりが頭に浮かんできた。

<当日までのVC同士のやり取り>
本番1週間ぐらい前からNTVPの方やVCからのメールが頻繁に交わされるようになってきた。

それに伴い自分の担当のスマイリー株式会社のことが頭から離れなくなってきた。そんなことを思いながら、小学生との連絡は鎌田さんに全部任せていたのだが、準備の方はどうなっているのか気になり、鎌田さんに連絡を取ってみた。

そうすると子供たちの方でフリーマーケットの商品は集めてくれていることには安心した。そしてクレープは中止になり、ドーナツのみ売るということを聞いた時は正直売れるかなぁと思ってしまった。でももっと子供達を信頼してあげなきゃと反省もしました。

またこのころから、週末のお天気が気になり、毎日天気予報をチェックしていました。

<9/23(土)9:00前日準備開始>

「ついに明日かぁ、今日はどれだけ準備出来るかが勝負やな!」と思いつつ2階の準備会場に到着してから、机を並べて待っていた。すると既に来ていた鎌田さんが家庭教師をしている中学生2年生の女の子を連れてきていた。「よし、これで随分僕らの会社も助かるなぁ」と一人喜んでいました。しかし、説明が始まっても肝心の小学生がこない。「まぁしばらくしたら来るだろう。社長だからやっぱり社長出勤だな。」と自分に言い聞かせながら説明を聞いていると、15分ぐらいしてからみんなぞろぞろ会場に入ってきた。

「久しぶり!フリマの商品集まった?」「バッチリ」「よかった。よかった。」など久しぶりの再会を喜び合ったのでした。

午前中は開店や株主総会の説明の後、早速買い出しに行くことになった。心配していた子供達のやる気は前回よりもずっとあがっていた。「いっぱい儲けよな!」、「売ったら、売っただけ配当くれるんだろ?」ちょっと待てよと僕はその時思った。「確かにたくさん売り上げた子と、そうでない子は同じ給料でいいのか?もし同じならば、子供達はそれで納得するのか?」その疑問をミーティングの時に、質問してみた。すると、結論としてはVC役の僕たちの分の配当を頑張った子にボーナスとしてあげればよいということで解決。

<仕入れに出陣>
いざWiLL(スーパーマーケット)に出発。5分後店内に到着。2階の100円ショップでドーナツやお茶を入れる紙コップを探すも、すでに品切れ状態。1階の食品売場では、鎌田さんら女の子チームは、ドーナツの素、ほか必要なものをゲットしたとのこと。しかし、ここで一番重要なことはいかに安く仕入れるかということ。実はドーナツの素は100円ショップでも売っていることを発見。しかもそちらの方が安かったのだが既に手遅れであった。とりあえず買えなかったものは置いといて、1階に集合してお昼ご飯を食べに帰ることになった。それで僕たち男性チームは1階におりて待つことにした。しばらく吉本新喜劇の話などをして待っていたが、まったく来る気配がない。それで鎌田さんの携帯に電話しようとポケットに手をやると自分の携帯がない。その時、鎌田さんチームの女の子に携帯を貸してあげていたのに気づいてぼーぜんとしてしまった。それで仕方なく、ひまわり会館に帰ると、そこには、お弁当を用意して待っている女の子達がいるではないか。

<商品の準備:買出しの続き>
昼からは、ドーナツの生地や看板を作るグループ、それと午前に買えなかった紙コップを買いに行くグループに分かれた。僕と小学生の男の子2人で買い物に行くことになった。

最初に、アピカにいった。100円ショップで探すが品切れ。アピカ内のキョーエイの100円均一コーナーで紙コップを180個ほどゲットした。しかし、ドーナツ200食とお茶を共に紙コップで出すことにしたので、まだ100個以上足りない。そこで子供達にどこか他に売っているお店がないか相談してみたところ、車でここから5分ぐらいの所にホームセンターナカイがあるとのこと。早速いってみると、あるわあるわで、しかもアピカで買ったよりも安い。いかに僕は買い物が下手であるを痛感してしまった。これではいくら売り上げを出しても、赤字になってしまうのではとあせりました。

<商品のドーナツ試作中>
そうして、帰ってみると、ドーナツを揚げる段階に来ていた。

しかし、どうしても食感がドーナツというよりも、ホットケーキに近かった。売りもにするには、まだ改良を重ねる必要がある。また、生産率が極めて低くこれでは、とても今日中には終わらない。少なくとも200食ならば、1000個は作らなければいけない。

鎌田さんの提案でよくケーキを作るときに見かける生クリームをマヨネーズ見たいに絞り出す袋としぼり金口を買ってくることになった。そして早速試してみたがどうも丸くならずしかも、手で作っていたときよりも、明らかに効率も悪くなっている。

そこへ、NTVPのスタッフの方が来て素晴らしいアドバイスをして下さいました。もっとホットケーキにの素を入れて水分を減らし、また生地を練るときはへらを切るようにして混ぜる。すると空気がたくさん生地に含まれからっと仕上がるとのこと。実際にやってみるとこれがまた出来映えがすごくいい。食感もいい。効率もいい。いいことずくめ。すべての問題が一挙に解決してしまいました。(ほんとに助かりました。あの時は。)

こうしている間に看板の方も出来上がっていました。時間ぎりぎりで何とか明日の準備が仕上がりました。また、その間に社長と副社長が今日入社したての新入社員とものすごく交流を深めた様子でした。(余談)その夜僕は心地よい疲れのため熟睡することが出来ました。

<9/24(日)快晴 8:30販売当日 “げっ、寝坊!!?”>
イメージやばい、寝坊してしまった!! 時計を見るともう既に時計の針は9時まわっている。携帯を見ると鎌田さんから「早く来て!」とメッセージがはいていた。僕は飛び起きて、準備をし、すぐに車に乗ってひまわり会館に向かった。とりあえず、鎌田さんに謝罪の電話をした。ついでに「もう朝の10時だから店も開いているし、何か買っていこうか」と言うと、「固めるテンプルとセロハンテープをお願い」といわれたのでホームセンターナカイに寄って買っていった。せめてもの罪滅ぼしのつもりで。

ひまわり会館に着くと、もう周りはひとでごった返していた。以前に3000人は来ると予想されていたが、実際そのくらい来ていたのではないだろうか?すぐに僕はスマイリー株式会社の店舗を見つけ向かった。いきなり、みんなから「遅い!」「なにしてたん」と言われ、僕はただひたすら謝るしかなかった。

何とか許していただいて、ドーナツの生産が追いついていないということなので、3階の調理場に向かった。そこでは社長自らがドーナツを揚げている姿を発見した。やっぱり社長!やるときは、現場でしっかりやってくれている。それをみて、感動してしまった。

私もすぐに、ドーナツの生地作りに加わった。僕の隣でNTVPスタッフの方と元コックをされていたというおじさんさんが手伝ってくれていた。ものすごく手際がよかった。おかげさまで、できたてほやほやなので、ドーナツは売れに売れていた。このお二人なくして、ドーナツの成功はなかっただろう。ほんとうに感謝したい。給料をお支払いできなくて申し訳なかった。

ドーナツは無事完売し利益も出る見込みだ。後はフリーマーケットでいかに売り上げを伸ばすかだ。フリーマーケットの商品を見ると、衣類、洗剤などの家庭用品、アイドル関連(ジャニーズJr、SPEEDなど)の文房具があった。ここでの男性社員の営業力には目を見張るものがあった。声を張り上げ「いらっしゃいませー!」、「安いよー!」、「しゃーない。もう閉店セールやけん、200円のところ50円にまけてあげるわ。」彼らはプロの商売人の顔になっていた。

後に、ジュニアベンチャープログラムの林校長から「彼らのあのエネルギーはどこから来ているんだ。いったい彼らは何者なんだ?」というお褒めの言葉を頂いた。

<13:30 閉店>
後片づけにはいる。今回はボランティアフェスティバルの一環として店を出したのだから、清掃こそ最も重要であると言っても良いくらいだ。子供達と協力し合ってテキパキと後片づけをすることが出来た。

<14:45 営業報告書作成→株主総会→配当で揉める!>
イメージ掃除を終えてひまわり会館に戻り、営業報告を作成し、株主総会である。営業報告書を作成するとき、ちょっと手こずってしまった。フリーマーケットでたくさん売れたのは良かったのだが、商品売り上げの記録が不明確だったため、社員の間でどれがいくら売れたとか、確認するのに時間がかかってしまった。

またその時、社員の中で誰それはあまり売り上げなかったから、給料を下げてほしいという要望があり、これには頭を悩ませた。なんとか株主総会を終えた後、配当金を社員に渡すこととなった。基本的に、配当金をVC含めた10人分で割って一人ずつに手渡した。そのうえに、VC2人分の配当金を8人の社員にそれぞれ平等にわけた。つまりみんな受け取る金額を同額にした。

実際に企業では、ボーナス、実力主義、年功序列で差をつけているのであろうが、今回はやむを得ず、一律にさせていただいた。僕は給料を渡して子供たちと別れるとき、いろんなことを思い出して、うれしく、また少し寂しく感じた。

子供達はなにか感じてくれたのだろうか。お金だけが目的にならないでほしいと思った。もし子供達が将来進路を決める際に、今回の『ベンチャープログラムIN阿南』の体験をなにかのヒントとしてくれるといいなぁと思う。

<所感>
今回この『ベンチャープログラムIN阿南』参加させていただいて本当に僕自身いろいろ学ばさせていただいたと思います。楽じゃなかったけど、楽しかったです!(笑)多分みなさん同じことを感じられていると思います。

最後になりましたが、この企画をしてくださったみなさん、この企画に関わっていただいたすべての方々、スマイリー株式会社のみんな、誘ってくれた松尾君、VC役の鎌田さんに感謝したいと思います。本当にありがとうございました。
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